自然災害とは

北太平洋西縁に位置する日本列島は停滞前線や集中豪雨が発生しやすく、夏から秋にかけては台風の通過ルートになり、気象学的に気候変動の影響が顕著に現れる地域と考えられます。また、環太平洋造山帯のプレート収束域に位置し、地殻変動により活発な火山活動や地震、津波等の地質学的要因による自然災害も毎年のように発生しております。このことから、日本列島は、豪雨の後に地震で揺れるような場合、気象要因と地質要因が重なり土砂崩れ等の自然災害が発生しやすい、世界的にも特異な地域であるといえます。

[気象災害と地質災害]のポンチ絵図を挿入

地殻変動により隆起し山になった岩体は風水により侵食されて崩れ、平たく安定する方向に進みます。この自然現象を、土砂崩れや地滑りといいます。土砂崩れが発生した斜面の周辺に住宅や構造物があると、自然現象は災害になり、人々はニュースやツイッターで被害の状況を目にすることになります。また、山で崩れた土砂は河川に運搬され、河川氾濫を繰り返すことにより扇状地から平野の沖積層を形成します。沖積平野に人が住んでいれば、この自然現象が洪水や床上浸水という災害になります。すなわち、自然災害は、自然現象が人間の活動域で発生した場合の結果です。

そのような自然の営みの中に人類は居住しており、快適に生活するためには自然現象と折り合いをつけて付き合うことになります。その対策を講じなければ、土砂災害や水災の被害に遭い、経済活動に大きな影響を受けます。自然現象は人間の力では制御できませんが、災害は対策することにより被害を軽減することができます。

[自然現象と災害の関係]のチャート図を挿入

近年土砂災害や洪水等の自然災害が増加している状況において、改正水防法及び改正土砂災害防止法が平成27年(2015年)に施行されたことにより、全国でハザードマップの整備が急速に進みました。しかしながら、浸水想定区域や土砂災害警戒区域の指定は全ての居住域にて完了しているわけではなく、レッドゾーン未指定の急傾斜地や、指定基準に満たない斜面も全国各地の住宅地に多く存在します。

また、令和2年(2020年)の宅建法施行規則改正により、不動産取引時の重要事項説明にて水防法に基づく水害(洪水・雨水出水・高潮)ハザードマップの提示と説明が義務化されました。しかしながら宅建士は自然災害の専門家ではないため、自然災害リスクの認識は必然的に土地購入者・所有者に委ねられることになります。河川が決壊すれば浸水することが一目瞭然な土地や、谷埋め盛土造成地の土地等、災害リスクが高い土地にて説明が不十分のまま分譲住宅が販売されているのも、このためです。

[山から平野の自然災害]のイラスト概念図を挿入

当サービスでは、住宅や事業用地を所有又は土地購入をご検討のお客様が自然災害のリスクを把握し、用地選定の判断、又は防災対策の検討、減災を目指す計画策定への基礎資料となるような調査を実施します。地質学、地形学、水文学、自然災害の専門家が調査地点周辺の地質的・地形的背景、土地の歴史につき各種資料を調査し、更には現地踏査にて状況を把握し、調査地点にて発生し得るハザードマップでは見えない自然災害のリスクを評価し、お客様に調査報告書を納品、ご説明いたします。

自治体・官公庁のお客様には、急傾斜地等のリスク評価・調査を含む自然災害に係る顧問契約をご提案致します。また、土砂崩れ等の自然災害発生時において、危機管理担当部課等によるメディア対応の基礎資料となるような、地質的背景を検討した災害原因調査の速報を提供する技術サービスをご提案致します。

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